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お手入れ方法

お手入れ方法

世間一般的に革の最大の敵はとされています。 例えば革製のカバンや靴であれば雨でずぶ濡れになってしまうと型くずれやシミ、最悪の場合ひび割れが発生して革が切れたり破れてしまうことがあります。また、その後風通しの悪いじめじめした所で保管してしまうとカビが発生します。カビはシミの原因になったりもします。このカビは革だけを蝕むだけではなく、革と革を繋ぎとめている綿糸までも分解し、切断してしまう威力も有ります。
当工房では綿糸をカビや細菌の侵食を防ぐため、縫製の直前、綿糸に蜜蝋を塗ります。そうすると蝋がコーティングとなりカビや細菌からの侵食を防ぎます。

日頃のお手入れ・管理方法

犬具にとって最も良い保管方法は、『首輪であれば出来る限り装着し、リードであれば毎日の散歩で使用する。』これに尽きます。この使い続けることが良い保管方法になるという奇妙なメカニズムにはからくりがあります。

水々しい革を保つために

「革」とは人間でいえば「皮」に当たります。人間の「皮」は毎日皮下より油分や栄養分が供給されているので、完全に乾燥しきることはありません。しかし「革」は栄養、油分の供給が完全にストップしています。
つまり容易に乾燥する、そのため乾燥からの保護策としてカバンや靴であれば革用クリームやミンクオイルを塗ることにより油、栄養分を供給できます。カビや細菌からの侵食を防ぎます。

首輪をみずみずしく保つため

毎日装着されている首輪には一切革用クリームやミンクオイルを塗る必要はありません。なぜならあなたの愛犬は私達同様汗をかき、油分を体内から分泌しています。首輪は愛犬に装着されている限り常に皮膚から油分を供給されています。(余談ですが犬の肌に油取り紙を当ててみて下さい、すぐにびしょびしょになってしまいます。)
ですので常に装着されている首輪にクリームやオイルを塗る行為は、過度の供給となり、摂取しきれないクリームやオイルは表面に残り、カビやシミ、愛犬の体毛の汚れになりますので、ご注意ください。

リードをみずみずしく保つため

リードは毎日の散歩での使用をしていただければ、革用クリーム・ミンクオイルを塗る必要はありません。どうしても革に当初のみずみずしさ、しなやかさが無くなったという場合は、革用クリームかミンクオイルを塗ることをお勧めします。
当工房では発注があると出荷前に薄くミンクオイルを塗っています。多少高価ですが、変色が少なくお勧めしています。
革用クリームやオイルを塗る際は以下の点にお気をつけ下さい。

  • オイルの成分によってはもちろんのこと、革自体の質や部位によってはシミになったり固くなってしまったりと、全く効果が異なることがあります。 全体に使用する前に一度端等の目立たない個所で試してから使うことをお勧めします。
  • オイルの塗り方については、ごく少量を手の指もしくは柔らかい布に取り、全体にごく薄く均等にのばすようにすり込んで下さい。多量のオイルを使用すると、色シミが出来たりムラが出来たりしますので、くれぐれもご注意下さい。

水に濡れた場合のお手入れ方法

散歩途中の急な雨や愛犬の水分補給時など、あらゆる状況で水は犬具に襲いかかります。
万一水に濡れた場合のお手入れ方法は・・・

  • 濡れた部分の水分をきれいに拭き取る。
  • 直射日光の当たらない、風通しの良い場所で時間をかけてゆっくりと湿気を抜く。

2で湿気を抜く際、ドライヤーや暖房器具を使い急激に乾燥させることは厳禁ですのでご注意ください。ひび割れの原因となります。

ヌメ革の経年変化

ヌメ革について

当工房で使っている革は全てヌメ革です。
ヌメ革とははるか古来からある鞣し方法、タンニン鞣しで作られた牛革のことを指します。植物の樹皮、木部、葉、果実から取り出された渋(タンニン)で鞣す方法で、馬の鞍・ベルト・野球のグローブ・靴の底など用途としては堅くて伸縮してはいけないものに用いられます。断面が淡褐色または茶褐色であり、堅牢で伸縮性が少ないのが特徴です。
欠点は雨や湿気などの水分の影響を受けやすく、水分を吸収するとバクテリアの発生を促し、また油分が不足するとひび割れ、裂けを生じてしまうというところです。

タンニン鞣しは鞣しに時間がかかるため、現在ではクローム鞣しと言われる鉱物をつかった鞣し方法が主流となっています。ただし自然素材を使って鞣すタンニン鞣しは(ヌメ革)、 廃棄されても土中で微生物に分解され、製造行程中にも環境を汚染する有害廃棄物質をださないため、自然に優しい素材 として環境保護に厳しい視線を送るヨーロッパ中心に価値が見直されています。

ヌメ革の特徴

強靭さ
この強靱さの意味とは傷がつきにくいといった意味ではありません。どちらかと言うと容易に傷がつきます。
ここでの強靱さとは素材が堅牢だということです。上手に使い、しっかりと手入れをしてやると素材自体は10年どころかそれ以上使えることも可能です。
また、表面についた傷からはオリジナルの色が顔を出します。この傷も使い込むうちに表面と同和してきて新しい表情を生み出してくれます。
右図はヌメ色を半年使用したカラーサンプルです。

経年変化
ヌメ革は、手の油がしみ込んだり、日光による紫外線の影響で革がどんどん変色して行きます。また日光や熱、使い込むうちのマッサージの効果で革内部にもともと含まれている脂分が表にしみ出してきます。この脂分により表面につやのある皮膜を作り表情と、ある程度の撥水効果を持たせてくれます。これらの変化を総称して経年変化と呼ばれています。
ゆっくりと年数をかけ出来上がったヌメ革の表情はなんとも言えない味わいを持ち、多くの人を魅了します。
右図は茶色を本当に劣悪な環境で3年間使用したカラーサンプルです。黒色に変化しておりますがあくまでも原色は茶色です。